「寄付金を渡したいけれど、どんな封筒を使えばいいのかわからない」「白封筒でも失礼にならないか不安」——そんな疑問を持つ方は少なくありません。
寄付金の渡し方には、表書きの書き方からお札の向きまで、意外と細かいマナーがあります。知らずに渡してしまうと、相手に失礼な印象を与えることもあります。
この記事では、白封筒を使った寄付金の書き方を、表書き・裏面の記載・金額の書き方・お札のマナーまで順を追って解説します。義援金との違いや、よくあるNG例も紹介するので、初めて寄付金を渡す方にも安心して読んでいただける内容です。
寄付金は白封筒で渡してもよい?
寄付金を手渡しする場合は封筒に入れるのが基本
現金をそのまま手渡しするのは、どんな場面でも礼儀に欠けます。寄付金を手渡しする際は、必ず封筒に入れるのが基本マナーです。
封筒に入れることで「誠意を持って準備した」という意思が伝わり、受け取る側も金額を確認しやすくなります。封筒の種類は場面によって異なりますが、白封筒はさまざまな寄付シーンに対応できる汎用性の高い選択肢です。
白封筒が適しているケース
シンプルに現金を包みたい場合
格式よりも気持ちを優先したい場面では、白封筒が自然な選択です。熨斗袋ほどの改まった形式を必要としない寄付であれば、白封筒で十分に誠意が伝わります。
熨斗袋を使うほど形式ばらない場合
知人・友人へのカジュアルな寄付や、職場の有志による少額の寄付金をまとめて渡す場合には、熨斗袋よりも白封筒のほうが場の雰囲気に合うことがあります。
義援金や災害見舞として渡す場合
義援金は「お祝い」ではなく「見舞い・支援」の性格を持つため、水引や熨斗のついた袋は適しません。白封筒のほうがむしろマナーに沿った選択です。義援金に熨斗袋を使うことは、場の趣旨にそぐわないとされています。
白封筒ではなく熨斗袋が適しているケース
式典や正式な贈呈の場で寄付する場合
表彰式や記念式典など、公式な場での寄付は熨斗袋を用いるほうが場に合います。白封筒では改まった雰囲気に対して不釣り合いに映ることがあります。
団体や施設へあらたまって寄付する場合
福祉施設や学校法人、NPO法人など、組織に対して正式に寄付を届ける場合は、熨斗袋のほうが相手への敬意を表しやすい場面もあります。ただし、受け取る側が「白封筒でも構いません」と案内していることも多いため、事前に確認するのが確実です。
寄付金を白封筒で渡すときの表書きの書き方
基本の表書きは「御寄付」または「金一封」
現金を寄付する際の表書きは、「御寄付」または「金一封」が基本です。どちらを使っても失礼にはあたりません。「御寄付」は寄付の意図を直接示す言葉で、「金一封」は金額を明示せず包む伝統的な表現です。
場の雰囲気や相手との関係性に応じて選びましょう。どちらか迷ったときは「御寄付」を選ぶのが無難です。
物品を寄付する場合は「御寄贈」
現金ではなく物品(書籍・備品・食料品など)を寄付する場合は「御寄贈(ごきぞう)」と書きます。「御寄付」は金銭を指す文脈が強いため、物品には使いません。
現金と物品をあわせて寄付する場合は「呈上」
現金と物品を同時に届ける場合は「呈上(ていじょう)」と書くのが適切です。「差し上げます」という意味を持ち、どちらの形式にも対応できる表書きです。
「寸志」は寄付金の表書きには避ける
「寸志」は目上の人から目下の人に渡すときに使う言葉です。団体や施設への寄付、あるいは同格・目上の相手に渡す場合には失礼にあたります。寄付金の表書きには使わないようにしましょう。
義援金の場合は「御見舞」と書く
災害や事故の被害者を支援する義援金の場合は、表書きを「御見舞(おみまい)」とするのが一般的です。「御寄付」でも間違いではありませんが、「御見舞」のほうが相手の状況に寄り添った表現です。
「災害見舞」「震災見舞」と書ける場合もある
大規模な自然災害の場合は「災害見舞」「震災見舞」「水害見舞」など、具体的な災害の種類を書くこともあります。受け取る団体や状況に合わせて選ぶとよいでしょう。
白封筒の表面・裏面には何を書く?
表面の中央上部に表書きを書く
封筒の表面(宛名面)の中央上部に、「御寄付」「金一封」などの表書きを書きます。文字は封筒全体のバランスを意識し、大きすぎず小さすぎない大きさで、中央に揃えて丁寧に書きましょう。
表面の下部に氏名または団体名を書く
表書きの下、封筒の中央下部に差出人の氏名または団体名を書きます。個人であればフルネームで、複数人であれば代表者名のあとに「外一同」などと添えるのが一般的です。
裏面には住所・氏名・金額を記載する
封筒の裏面には、差出人の郵便番号・住所・氏名を書きます。さらに、封筒の書き方マナーとして金額も裏面左下に記載しておくと、受け取る側が管理しやすくなります。金額は「金壱萬圓」のように旧字体で書くのが丁寧です。
中袋がある場合は中袋に金額と住所を書く
表袋と中袋で書く内容を分ける
中袋(内袋)が付いている封筒の場合は、役割を分けて記載します。
- 表袋(外側):表書き・差出人氏名
- 中袋(内側・表):金額
- 中袋(内側・裏):住所・氏名
中袋がある場合は裏面への記載を中袋に移し、表袋の裏面には何も書かないのが一般的なマナーです。
寄付金の金額の書き方
金額は旧字体の漢数字で書くのが丁寧
封筒に金額を記載する際は、旧字体の漢数字(大字・おおじ)を使うのが正式なマナーです。
一万円は「金壱萬圓」
二万円は「金弐萬圓」
三万円は「金参萬圓」
金額の前には「金」を付け、末尾に「也(なり)」を添えることもあります(例:「金壱萬圓也」)。「也」は省略しても失礼にはあたりません。
数字の改ざんを防ぐために旧字体を使う
旧字体を使う理由は見た目の格式だけではありません。「一」を「壱」、「二」を「弐」と書くことで、筆跡による数字の書き換えや誤読を防ぐという実用的な意味もあります。領収書や公式書類でも同様の慣習が使われているのはこのためです。
住所や氏名は旧字体で書く必要はない
旧字体が必要なのは金額の部分のみです。住所や氏名は通常の漢字・ひらがなで書いて構いません。全体を旧字体で統一する必要はなく、金額欄だけ意識すれば十分です。
金額を書き間違えた場合は新しい封筒に替える
金額を間違えた場合は、修正液や二重線で直さず、必ず新しい封筒に書き直してください。修正の跡がある封筒は、受け取る側に誠意が伝わりにくいだけでなく、マナー違反とみなされることがあります。
寄付金を白封筒に書くときの筆記具と文字のマナー
表書きは黒インクで書く
表書きを書く際は、黒インクを使うのが基本です。慶弔どちらの場面でも、黒インクは誠実さと礼儀を表す色とされています。
筆ペンやサインペンを使うと丁寧な印象になる
毛筆や筆ペンを使って書くと、より格式のある印象を与えます。筆ペンが手元にない場合は、太めの黒サインペンでも問題ありません。文字の太さと安定感が、丁寧さを伝える重要な要素です。
鉛筆・消せるペン・カラーペンは避ける
注意:鉛筆や消せるボールペンは「後から書き直せる」印象を与えるため、寄付金の封筒には適しません。赤・青などのカラーインクも場の趣旨にそぐわないため避けましょう。
修正液や二重線で直さず新しい封筒に書き直す
文字を書き間違えた場合は、修正液や修正テープで消したり、二重線を引いて訂正したりするのはNGです。手間がかかっても、必ず新しい封筒に書き直すのが礼儀です。
寄付金を白封筒に入れるときのお札のマナー
通常の寄付金は新札でなくてもよい
結婚祝いなどのお祝い事では新札を用意するのが一般的ですが、寄付金の場合は新札にこだわる必要はありません。「新しいお札を準備していた」という意味合いが、場によっては不自然に受け取られることもあるためです。
なるべくきれいなお札を選ぶ
新札でなくてもよいとはいえ、極端に折れ曲がったり汚れたりしたお札を入れるのは失礼です。手持ちの中からなるべく状態のよいお札を選ぶ気遣いが、相手への敬意を示します。
汚れや破れのあるお札は避ける
破れ・書き込み・大きなシミのあるお札は、寄付金に限らず人に渡す現金としては適切ではありません。銀行で交換してから使うことをおすすめします。
義援金では新札を避ける
事前に不幸を予期していた印象を避けるため
義援金に新札を使うのはマナー違反とされています。新札を事前に準備していたことが「災害や不幸をあらかじめ予測していた」という印象を与えるためです。義援金では、普段使いのきれいなお札を選ぶのが適切です。
寄付金と義援金で白封筒の書き方はどう違う?
通常の寄付金は「御寄付」「金一封」と書く
団体への支援や地域活動への協力など、一般的な寄付金の表書きは「御寄付」または「金一封」が基本です。どちらも失礼にはあたらず、幅広い場面で使えます。
義援金は「御見舞」と書くのが一般的
被災者支援を目的とした義援金では、「御見舞」と書くのが相手の状況に寄り添った表現です。「御寄付」と書いても間違いではありませんが、「御見舞」のほうが気持ちが伝わりやすいとされています。
義援金の正しい書き方については、義援金封筒の書き方に関するこちらの解説も参考になります。
義援金では熨斗や水引のある封筒を避ける
水引や熨斗のついた袋はお祝いごとを連想させます。被災した方への義援金に使うのは場の趣旨にそぐわないため、白封筒か、水引のないシンプルな現金封筒を選びましょう。
義援金では4・6・9を含む金額に注意する
死・無・苦を連想させる数字を避ける配慮
義援金を包む際は、金額に「4(死)」「6(無)」「9(苦)」を連想させる数字が含まれないよう配慮する文化があります。たとえば4,000円・9,000円などは避け、5,000円・10,000円などのきりのよい金額を選ぶのが一般的です。
※地域や受け取る団体によって慣習が異なる場合があります。不安な場合は寄付先に確認することをおすすめします。
白封筒で寄付金を渡すときに避けたいNG例
表書きを何も書かずに渡す
封筒に何も書かれていない状態で渡すのは、受け取る側が用途を判断できず、管理上も混乱が生じます。必ず表書きを記入してから渡しましょう。
「寸志」と書いてしまう
「寸志」は目上の立場から目下へ渡すときの言葉です。寄付先が団体・施設・組織である場合に使うと、相手を格下に見ているような印象を与えるため、寄付金の場面では使いません。
赤や青など黒以外のインクで書く
表書きや氏名をカラーインクで書くのはマナー違反です。慶弔を問わず、封筒への記入は黒インクで統一します。
書き間違えた封筒を修正して使う
修正液・修正テープ・二重線による訂正は、いずれも寄付金の封筒には使えません。面倒でも新しい封筒に書き直すことが、相手への誠意を示します。
義援金に熨斗袋や新札を使う
義援金に熨斗袋を使うのは場の趣旨に合わず、新札を用意するのは「不幸を予期していた」と取られかねません。義援金には白封筒・普段使いのきれいなお札の組み合わせが適切です。
汚れた封筒や折れた封筒を使う
封筒の状態も、渡す側の誠意を映します。折れ目のついた封筒・汚れや染みのある封筒は使わず、新しい封筒を用意しましょう。
寄付金を白封筒で渡すときの流れ
手順1:寄付先や目的に合う表書きを決める
最初に、寄付の目的と相手を確認します。一般的な寄付なら「御寄付」または「金一封」、義援金なら「御見舞」、物品なら「御寄贈」と、場面に応じた表書きを選びましょう。
手順2:白封筒の表面に表書きと氏名を書く
黒インクの筆ペンまたはサインペンを使い、封筒表面の中央上部に表書き、中央下部に自分の氏名(または団体名)を書きます。文字は丁寧に、バランスよく配置します。
手順3:裏面または中袋に住所・氏名・金額を書く
封筒の裏面左下に住所・氏名・金額を記入します。中袋がある場合は中袋に金額(表)と住所・氏名(裏)を書き、表袋の裏面には記入不要です。金額は旧字体の漢数字で書きます。
手順4:きれいなお札を封筒に入れる
お札は折らずにそのまま封筒に入れます。複数枚の場合は向きを揃えましょう。義援金の場合は新札を避け、状態のよい流通紙幣を選びます。
手順5:相手に一言添えて丁寧に渡す
封筒を渡す際は、「ほんの気持ちですが、お役立ていただければ幸いです」などの一言を添えると、より誠意が伝わります。封筒は袱紗(ふくさ)に包んで持参すると、さらに丁寧な印象を与えます。
袱紗がない場合は、ハンカチや小さな布で包んで持参するだけでも、封筒の状態を守りつつ気遣いを示せます。
寄付金の白封筒に関するよくある質問
寄付金は無地の白封筒でも失礼になりませんか?
失礼にはあたりません。白封筒は寄付金全般に適した選択肢です。ただし封筒の状態(折れ・汚れ)には気をつけ、新しいものを用意しましょう。表書きをきちんと書けば、無地の白封筒でも誠意は十分に伝わります。
白封筒に水引や熨斗は必要ですか?
一般的な寄付金や義援金の場合、水引や熨斗は必要ありません。特に義援金では水引のある袋は避けるべきとされています。正式な式典での贈呈など、場が求める場合のみ熨斗袋を検討してください。
寄付金の表書きは「寄付」と「御寄付」どちらがよいですか?
「御寄付」のほうが丁寧です。「御(ご)」を付けることで、相手への敬意が加わります。どちらを使っても意味は同じですが、正式な場では「御寄付」を選ぶのが無難です。
白封筒の裏面に金額を書かなくてもよいですか?
書くことが推奨されます。金額の記載があると、受け取る側が受領記録を管理しやすくなります。中袋がある場合は中袋に書き、裏面への記入は省略できます。
寄付金に新札を入れても問題ありませんか?
通常の寄付金であれば新札でも問題ありません。ただし義援金の場合は、事前に用意していた印象を与える新札は避けるのがマナーです。
義援金を白封筒で渡すときは何と書けばよいですか?
「御見舞」と書くのが一般的です。状況に応じて「災害見舞」「震災見舞」なども使えます。詳しい使い分けは、表書きの言葉の選び方に関するこちらの解説も参考にしてください。
まとめ:寄付金を白封筒で渡すときは目的に合った表書きと丁寧な書き方が大切
通常の寄付金は「御寄付」または「金一封」が基本
場面や相手との関係性にかかわらず、一般的な寄付金の表書きは「御寄付」または「金一封」が基本です。迷ったときはこの2つから選べば間違いありません。表書きの書き方についてさらに詳しく知りたい方は、封筒の表書きマナーに関するこちらの記事もあわせてご覧ください。
義援金では「御見舞」と書き、熨斗や新札は避ける
義援金は支援・見舞いの性格を持つため、表書きは「御見舞」が適切です。熨斗袋・新札・縁起の悪い金額は避け、白封筒にきれいなお札を入れて渡しましょう。
黒インク・旧字体・きれいなお札を意識して失礼のない形で渡す
封筒の書き方・筆記具・お札の状態、どれも相手への気遣いの表れです。細かなマナーを一つひとつ丁寧に守ることが、受け取る側への誠意につながります。
寄付金の渡し方に迷ったときは、Make It Better Techのマナー・生活情報コンテンツもぜひご覧ください。
- 表書きは「御寄付」「金一封」「御見舞」から場面に合わせて選ぶ
- 金額は旧字体の漢数字(壱・弐・参・萬・圓)で記載する
- 筆記具は黒インクの筆ペンまたはサインペンを使う
- 書き間違えたら修正せず、新しい封筒に書き直す
- 義援金には熨斗袋・新札・不吉な数字の金額を避ける

