寄付と贈与にはどんな違いがある?

画像: 寄付と贈与の違いについて

深く意味を掘り下げない限り、大きな違いがないように思える「寄付」と「贈与」。
きっと、寄付と贈与の違いについて、気になっている方も多いのではないでしょうか?

寄付とは、公共性の高い団体に対し、見返りを求めず無償で金品を与える行為のこと。
寄付の対象となる団体の中には、国や地方公共団体を始め、認定NPO法人などが含まれます。

一方で贈与とは、「贈りたい」・「貰いたい」という双方の意志が合致した上で成立する契約のこと。
これを「諾成契約(だくせいけいやく)」と言い、商品の売買などが例として挙げられます。

それでは、寄付と贈与の違いは何なのかと言うと、金品を贈る対象が異なるところです。

寄付に当てはまるのは、公共性の高い「団体」に金品を与えた場合のみ。
反対に、贈与の場合は寄付とは違い、個人も対象に含まれます。
しかも、寄付と贈与では税金関係の違いもあるので、しっかりと把握しておきましょう。

今回は、寄付と贈与にどういった違いがあるのか、それぞれの定義を踏まえてわかりやすく解説。
寄付と贈与の特徴を洗い出すことにより、どんな違いがあるのか紹介します。

言葉の意味に大きな違いはないものの、寄付と贈与は全くの別物。
自身が検討しているのは寄付・贈与のどちらに当たるのか把握して、よりあなたにメリットのある支援を行いましょう!

それぞれの概要について

寄付と贈与の違いを把握する上で、各々の意味や特徴を知っておくことは非常に大切。
ここでは、寄付と贈与の意味や特徴を紹介します。

「寄付」の意味と特徴

画像: 寄付の意味と特徴について

寄付の意味について、辞書では以下のように定義しています。

き‐ふ【寄付・寄附】
[名]スル公共事業や社寺などに、金品を贈ること。

出典:大辞泉

寄付とは、公共性の高い団体に対して、見返りといったリターンを求めず、無償で金品を与える行為のこと。
寄付者の任意のもと行われること」・「見返り(反対給付)がないこと」が寄付として呼べる条件です。

この公共性の高い団体の中には、国・地方公共団体・認定NPO法人・公益社団法人/公益財団法人などが含まれます。
要は、営利を追い求めず、社会のために活動する団体へ金品を贈ることを寄付と言う訳です。

例えば、寄付に該当するのは、「個人から法人/組織」・「法人から法人/組織」へ金品の譲渡があった場合のみ。
基本的に、「個人から個人」への金品の譲渡は、寄付とは言わないので覚えておきましょう。

そんな寄付を個人が行うと、「寄付金控除」・「税額控除」という税制の優遇処置が適用されます。
これらは、特定の団体へ2,000円以上の寄付を行うことにより、一定額の所得税に対して控除が受けられるというもの。
わかりやすく言うと、特定の寄付を行うことで支払う税金が安くなる制度のことです。

一方で法人の場合は、寄付金を損金として扱えます。
なんと、損金には法人税が課されません。
なので、法人が寄付を行うと、実質的に税金の控除を受けられることになります。

ちなみに、寄付を受け取る側に対しても、税金は課されません。
そのため、寄付によって金品を譲り受けた場合は、全額をそのまま受け取れるということです。

「贈与」の意味と特徴

画像: 贈与の意味と特徴について

辞書で定義されている贈与の意味は、以下の通りです。

ぞう‐よ【贈与】
[名]スル当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって成立する契約

出典:大辞泉

上記の通り、贈与とは「自身の財産を無償で与えるという意思表示に対し、それを相手側が承諾することによって成立する契約」のことです。
簡単に言うと、「贈りたい」・「貰いたい」という意思が合致した上で成立する契約のことを贈与と言います。

贈与に当たるのは、基本的に「個人から個人」・「法人から個人」へ金品の譲渡があった場合。
また、営利目的で活動する団体へ金品を贈るケースも贈与に該当します。

この贈与の特徴として挙げられるのは、税金が掛かるところ。
税金を支払う必要があるのは、贈与により金品を受け取る側です。

例えば、個人が個人に対して金品の贈与を行ったとします。
この場合は、金品の贈与を受けた方が「贈与税(※)」を納めなければいけません。
(※ 贈与税とは、年間で110万円を超える金品の贈与を受けた場合に課される税金のことです)

一方、仮に法人が贈与を受けたとすると、「受贈益」として利益に計上する必要があります。
受贈益には法人税が課されるため、贈与を受けるほど支払う税金が高くなってしまうのです。

最大の違いは「金品を贈る対象」が異なるところ

画像: 違いについて

それでは、上記で紹介した寄付と贈与の意味や特徴を整理してみます。

画像: 寄付と贈与の意味や特徴

画像の通り、寄付と贈与では意味や特徴に大きな違いがあることがわかります。

まず、寄付と贈与には、「一方的な行動」なのか「同意上の行動」なのかといった違いがあります。

基本的に、寄付は相手の承諾を得て行うものではありません。
自身が助けたい・力になりたいと思ったタイミングで、突発的に行動へ移すものが寄付です。

反対に、贈与の場合は金品を受け取る側の承諾がない限り成立しません。
要は、「寄付 = 一方的な行為」・「贈与 = 契約上の行為」といった違いがあるという訳です。

それだけでなく、寄付と贈与では、金品を贈る対象も違います。

寄付の対象は、非営利な団体や組織がメイン。
しかし、贈与の対象には制限がありません。
そのため、非営利な団体や組織以外に金品を贈る行為は、全て贈与に当たると覚えておくと良いでしょう。

そして、税金が掛かるかどうかというところも、寄付と贈与の違いとして挙げられます。

上述した通り、寄付の場合は「贈る側」・「受け取る側」どちらにも税金は課されません。
それどころか、寄付を行った方に対しては、税制の優遇処置が適用されます。

反対に、贈与の場合は「受け取る側」に対して贈与税 or 法人税が課されることになります。
なので、税金面を考えると、寄付の方がよりメリットが大きいと言えるでしょう。