寄付で受けられる税額控除について解説

画像: 寄付による税額控除について

寄付を行うことで適用される税金の控除。
きっと、寄付により受けられる税額控除では、どれほど税金が安くなるのか知りたい方が多いのではないでしょうか?

税額控除とは、正式名称を「寄付金特別控除」というもの。
2011年6月の税制改正により、寄付の控除として新しく生まれたのが税額控除です。

この税額控除では、税額から所得税が差し引かれることになります。
以前からあった寄付金控除に比べ、より多額の減税を受けられる可能性が高いことから、おすすめの方式です。

しかし、寄付金控除と比較して、税額控除の適用条件が厳しいところはデメリットと言えるでしょう。
寄付金控除より適用される寄付先の対象が限定的なので注意してください。

そこで、今回は寄付によって受けられる税額控除について、基本的な概要を踏まえて解説。
それだけでなく、税額控除の計算方法を始め、対象となる寄付や必要な手続き・書類を紹介します。

控除制度を把握しておくことは、寄付上手な支援者を目指す上で必要不可欠。
寄付金控除より大きな恩恵をもたらす税額控除について詳しくなり、さらに賢く寄付を行いましょう!

そもそも税額控除とは?

画像: 税額控除について

税額控除とは、正式名称を「寄付金特別控除」と言い、寄付によって一定の所得税が差し引かれる制度のこと。
よりわかりやすく言うと、寄付を行うことで支払う予定だった税金が安くなるということです。

この税額控除では、「税額」から所得税が差し引かれることになります。
一方、寄付で適用されるもう1種類の「寄付金控除」では、「所得金額」から所得税が控除されます。
寄付金控除とは違い、税額控除は様々な控除を差し引いて算出した税額から所得税が引かれるため、より多額の減税を受けられる可能性が高いという訳です。

画像: 控除のタイミング

画像の通り、寄付金控除は所得金額から差し引かれるのに対し、税額控除は税額から控除分が引かれます。
どちらも所得税に対する控除という点では同じですが、タイミングが全く異なるので覚えておきましょう。

ちなみに、以前までは寄付金控除の方式しかありませんでした。
しかし、2011年6月に施行された税制の改正により、寄付の税額控除が誕生。
より多くの方に寄付を行ってもらうために生まれたのが税額控除なのです。

対象となる寄付は限定的

画像: 対象となる寄付について

残念なことに、全ての寄付が税額控除の対象になる訳ではありません。
税額控除を受けられるのは、以下のような団体・活動に対して年間で「2,000円」以上の寄付を行った場合に限ります。

  • 認定NPO法人
  • 公益社団法人/公益財団法人
  • 政治活動

認定NPO法人とは、事業の活動や実績を所轄庁から認められた非営利な法人のこと。
一方で公益社団法人や公益財団法人とは、社会を良くしようと非営利に活動する団体のことです。
これら、もしくは特定の政治活動に対して「リターン」のない寄付を行うことにより、税額控除が適用されます。

しかし、仮に支出した寄付金が本来の事業(社会のためになる事業)に使われていないと発覚した場合、税額控除は受けられません。
例を挙げると、法人の設立費用に関する寄付などは、税額控除の対象外なので注意してください。

参考:No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除) | 国税庁

計算方法をわかりやすく紹介

画像: 計算方法について

ここでは、寄付で適用される税額控除の計算方法について紹介します。

税額控除を計算する際は、以下の計算式を用います。

  • (年間で支出した寄付金の合計額(※) – 2,000円) × 40% = 控除額

(※ 総所得金額等の40%相当額が上限)

例えば、年収400万円のAさんと、年収1,000万円のBさんがいたとします。
もし、彼らが認定NPO法人に対して10万円の寄付を行ったとすると、受けられる税額控除の額は以下の通りです。

画像: 計算結果1

上記の通り、税額控除の計算式に当てはめると、どちらも「39,200円」の控除を受けられることがわかります。

ただ、両者ともに、この控除額がそのまま適用される訳ではありません。
これは、税額控除に「所得税額の25%まで」という上限が設けられているため。
そのため、税額控除の計算では、所得税額を求める必要があります。

仮に、Aさんの課税所得金額が150万円・Bさんの課税所得金額が500万円だったとします。
この場合、Aさんに適用される所得税率は5%・Bさんに適用される所得税率は20%です(※)。
両者の課税所得金額と所得税率をもとに所得税額を計算した結果は、以下にまとめています。
(※ 参照:No.2260 所得税の税率 | 国税庁)

  • 1,500,000円 × 5% = 75,000円
  • 5,000,000円 × 20% = 1,000,000円

上記を踏まえ、Aさんが受けられる税額控除の上限を計算すると、「18,750円(75,000円 × 25%)」となります。
一方、Bさんが受けられる税額控除の上限は「250,000円(1,000,000 × 25%)」。
要は、Aさんの場合18,750円まで・Bさんの場合250,000円までしか税額控除を受けられないということです。

では、両者が受けられる控除額の上限と、先ほど導き出した税額控除の値を比較してみます。

画像: 計算結果2

画像: 計算結果3

画像の通り、Aさんは上限以上の寄付を行っているのに対し、Bさんは上限までまだまだ余裕があることがわかります。
よって、Aさんは「18,750円」・Bさんは「39,200円」の控除を受けられるという訳です。

参考:寄附金を支出したとき | 国税庁

必要な手続きや書類について

画像: 手続き・書類について

ただ寄付を行ったからと言って、税額控除が適用される訳ではありません。
税額控除を受けるためには、仮に会社員であったとしても確定申告を行う必要があります。

以下にて、確定申告で行うべきことをまとめています。

  • 確定申告書内の「寄付金特別控除」の項目に算出した控除額を記入する
  • 寄付先からの領収書を始めとした必要書類を確定申告書に添付する

税額控除を受けるために必要な手続きは、上記のたった2点だけ
確定申告書内の指定の欄に控除額を記入し、必要書類を添付したものを税務署に提出すれば、税額控除が適用されます。

確定申告時に必要な書類は、以下の通りです。

  • 寄付金受領証明書
  • 認定NPO法人・公益社団法人が適格であることを証明する書類
  • 源泉徴収票
  • マイナンバー(マイナンバーカードのコピーなど)
  • 本人確認書類(運転免許証のコピーなど)

寄付金受領証明書とは、あなたが寄付したことを支援先が証明する書類のこと。
寄付を行った後、数か月後に支援先から送られてくるので、大切に保管しておくようにしてください。

また、寄付金控除では必要ないものの、税額控除を受ける場合は、支援先の認定NPO法人などが適格であることを証明する書類も提出しなければいけません。
この書類がないと税額控除は受けられないので、前もって支援先に問い合わせておくことをおすすめします。

ちなみに、確定申告の時期は、毎年2月16日~3月15日の間です。
慌てることがないよう、確定申告書の作成を始め、必要書類の準備などは余裕を持って行うようにしましょう。