ここまでで、寄付によって税制の優遇処置を受けられるのであれば、効果的な節税を狙えるのではと思った方もいるのではないでしょうか?
ただ、節税目的での寄付はおすすめできません。
というのも、支払った寄付金の全額が控除の対象にはならないためです。
控除として所得税から差し引かれるのは、支出した寄付金の一部だけ。
以下の例を見ると、わかりやすいと思います。

算出した控除額を支払い予定の所得税から引くと、以下のようになります。

画像の通り、節税を目的とした寄付によって、支払う予定だった所得税より多くの支出が生まれてしまったことがわかります。
これは、個人だけではなく、法人の場合も同様。
所得税や法人税の一部が控除される代わりに、そのお金を支援したい団体への寄付金に充てられるだけです。
寄付を行うことで節税を図れたり、得をしたりといったことは決してないので、覚えておきましょう。
本来、寄付とは節税を目的に行うものではなく、「社会貢献したい」・「困っている人を助けたい」という動機のもと行うもの。
そんな方の背中を後押しする制度が寄付による税制の優遇処置なのです。