日本における寄付市場の実情について

画像: 日本の寄付市場について

海外と比較して、日本の寄付市場はまだまだ成長段階にあります。

例えば、日本で動いた寄付金の総額をアメリカやイギリスと比較してみると、その差は歴然です。
日本国内で2016年に動いた寄付金の総額は7,756億円
一方、イギリスでは約1兆円、アメリカでは約30兆円ものお金が寄付に使われています。

これらを比較してみると、日本の寄付市場はイギリスの約1/2。
なんと、日本とアメリカでは、寄付市場の規模に約40倍もの差があります

ただ、海外と比べると規模は小さいものの、日本国内での寄付に対する意識は年々高まってきています。
日本国内で寄付のニーズが高まっている要因は様々。
2011年に起きた大震災を始め、寄付による税制優遇処置の拡充や、新しい支援の形が増えていることも要因として挙げられます。

今回は、そんな日本における寄付市場の実情について、海外との比較結果を踏まえて解説。
海外と日本で市場の規模はどれほど違うのか、また国内で寄付に対する意識が高まっている要因をいくつか紹介します。

現在、日本の寄付市場がどういった状態なのか知っておけば、寄付を広める上で解決必須な課題が見えてくることでしょう!

他国と比較した市場の規模

画像: 市場の規模について

海外と比較すると、日本の寄付市場は成長段階にあることがわかります。

日本に寄付を広めることを目標としている「日本ファンドレイジング協会」では、海外と比較した国内の市場規模を調査。
2016年に行われた調査結果によれば、日本国内における寄付市場の規模は、アメリカやイギリスと比べて非常に小さいことが判明しました。

 日本アメリカイギリス韓国
総額7,756億円30兆6,664億円1兆5,035億円6,736億円
1人当たりの
寄付金平均額
27,013円125,664円74,400円9,095円
名目GDP比0.14%1.44%0.54%0.50%

出典:寄付白書2017 | 日本ファンドレイジング協会

上記の通り、2016年に日本国内で使われた寄付金の総額は7,756億円です。

一方、イギリスでは1兆5,035億円・アメリカでは30兆6,664億円ものお金が寄付によって動いています。
イギリスの場合は日本の約2倍、アメリカの場合は約40倍もの寄付市場を誇っているということ。
他国と比べると、日本の寄付市場がいかに小さいかわかることでしょう。

さらに、名目GDP比の数値に関しては、韓国の約1/4です。
これらを踏まえ、日本は寄付が積極的に行われている国とは言えません。

ちなみに、人口に対する寄付者の割合が最も高い国は、発展途上国であるミャンマー。
なんと、ミャンマーでは、人口の約9割が日常的に寄付を行っているそうです。

市場の規模は年々大きくなってきている!

画像: 日本の市場は伸びている

他国と比べて寄付市場の規模が小さい日本。
ただ、他国より規模が小さいだけで、日本国内で動く寄付金の総額は年々増えてきています。

画像: 日本における寄付金総額の推移グラフ

参照:寄付白書2017 | 日本ファンドレイジング協会

画像の通り、日本で寄付を行う方が爆発的に増えたのは2011年。
東日本で起きた大震災をきっかけに、例年の2倍近い「1兆182億円」ものお金が寄付によって動きました。

大震災の翌年、2012年には6,931億円にまで落ち着いたものの、寄付金の総額は年を追うごとに上昇。
2014年は7,409億円・2016年は7,756億円と、日本の寄付市場は確実に成長していると言えるでしょう。

成長している要因を紹介

画像: 成長している要因について

ここでは、なぜ日本の寄付市場が伸びてきているのか、その要因を計3つ紹介します。

要因1: 東日本大震災
まず、1つ目の要因として紹介するのは東日本大震災です。

東日本大震災が起きたのは2011年の3月11日。
死者1万5,895人・行方不明者2,539人という未曽有の大震災が東日本を襲いました。

しかも、2次災害として津波や原発事故なども発生。
被災地が放射能に汚染されてしまったことにより、ボランティアを志願していた多くの方々が現地入りできなかったそうです。

そこで、自身にできることとして多くの方が行ったのが寄付でした。
なんと、東日本大震災が起きた年は、日本の人口の68.6%もの人たちが寄付を行ったそうです。

結果として、2011年に日本で動いた寄付金の総額は1兆182億円。
この震災をきっかけに、日本の寄付市場が急成長したと言っても過言ではないでしょう。

要因2: 税制の優遇処置の見直し
2つ目の要因は、寄付による税制の優遇処置の見直しです。

現在、寄付を行うことで受けられる税制の優遇処置は、「寄付金控除」or「税額控除」というもの。
しかし、以前までは寄付金控除の方式しかありませんでした。

税額控除が生まれたのは、東日本大震災が起きた2011年の6月。
税制の改正により、寄付金控除・税額控除のどちらか有利な方式を選んで控除を受けられるようになりました。
こういった税制の拡充も、日本国内で寄付市場が成長している1つの要因と言えるでしょう。

要因3: 新しい支援の形
最後に紹介する要因は、新しい支援の形が増えてきているというものです。

従来から行われている寄付に加え、「ふるさと納税」や「クラウドファンディング」など新しく増えた支援の形は様々。
特に、クラウドファンディングはネットを媒体としているため、より手軽に寄付を行えるところが魅力です。

このように、支援の形が多様化しているところも、日本の寄付を増やす要因の1つとなっています。