続いては、法人が寄付を行った場合に損金算入できる寄付金の限度額を求める方法を紹介します。
前述の通り、寄付金の種類によって損金算入限度額は様々。
以下にて、法人による寄付金の種類をまとめています。
- 国等に対する寄附金及び指定寄附金
- 特定公益増進法人に対する寄附金
- 一般の寄附金
まず、「国等に対する寄附金及び指定寄附金」とは、国や地方公共団体、または財務大臣が指定した団体に対する寄付金のことです。
この寄付金に関しては、国への貢献度が他の種類に比べ高いため、その全額を損金に算入できます。
要は、損金算入限度額が設定されていないということです。
次に、「特定公益増進法人に対する寄附金」とは、認定NPO法人を始め、教育や科学の振興、文化の向上や社会福祉に大きな影響を及ぼす団体への寄付金のこと。
特定公益増進法人に対する寄付金には、損金算入限度額が設けられています。
- [資本金等の額 ×当期の月数/12×3.75/1,000+所得の金額×6.25/100] × 1/2 = 損金算入限度額
仮に、「資本金等の額 = 2,000万円」・「所得の金額 = 3,000万円」だったとします。
この場合、損金算入限度額は以下の通りです。

資本金等の額・所得の金額さえわかっていれば、損金算入限度額の計算は簡単です。
最後に、「一般の寄附金」とは、国等に対する寄附金及び指定寄附金・特定公益増進法人に対する寄附金に当てはまらない全ての寄付金のこと。
国や地方公共団体、特定公益増進法人へ行った支援以外は、全て一般の寄附金に該当します。
この一般の寄附金は、国への貢献性が上記2種類の寄付金と比べて低いため、損金算入限度額が高く設定されています。
「損金に算入できる金額が少ない = 法人税の控除が受けにくい」ので覚えておきましょう。
一般の寄附金を支払った際に用いる損金算入限度額の計算式は、以下の通りです。
- [資本金等の額 ×当期の月数/12×2.5/1,000+所得の金額×2.5/100] × 1/4 = 損金算入限度額
例えば、町内会に対して寄付を行ったとします。
もし、「資本金等の額 = 1,000万円」・「所得の金額 = 1,500万円」だった場合、損金算入限度額は以下のようになります。

上記の通り、国に対する寄付金・特定公益増進法人に対する寄付金と比較すると、損金に算入できる金額が大幅に低いことがわかります。
そのため、法人が寄付を行う際は、国や地方公共団体、認定NPO法人への支援を検討してみてはいかがでしょうか?
参考:寄附金を支出したとき | 国税庁