上述した通り、損金に算入できる金額は、寄付金の種類で異なります。
主に、法人が支出する寄付金の種類は、以下の3つです。
- 国/地方公共団体や財務大臣が指定した団体への寄付金
- 特定公益増進法人や認定NPO法人への寄付金
- 一般の寄付金
上記3種類の内、国・地方公共団体や財務大臣が指定した団体への寄付金は、その全額を損金に算入できます。
これは、他の寄付金と比較して、国への貢献性が最も高いため。
国のためになる寄付として扱われるため、損金算入限度額が設定されていないという訳です。
しかし、他2種類の寄付金に関しては、損金算入限度額が設けられています。
特定公益増進法人や認定NPO法人への寄付金
特定公益増進法人とは、教育・科学・文化の発展に大きく貢献する団体のこと。
一方で認定NPO法人とは、事業の内容や実績を認められ、一定の基準をクリアしたNPO法人のことです。
これらに対する寄付金には、損金算入限度額が設けられています。
特定公益増進法人や認定NPO法人への寄付金に設けられている損金算入限度額は、以下の計算式で導き出せます。

例えば、資本金等の額が2,000万円・所得の金額が2,500万円だったとします。
この場合、損金算入限度額は以下の通りです。

資本金等の額・所得の金額さえわかっていれば、後は公式に当てはめるだけ。
このように、損金算入限度額の計算方法は非常に簡単です。
一般の寄付金
一般の寄付金とは、他2種類に該当しない全ての寄付金のこと。
「国・地方公共団体・財務大臣が指定した団体・特定公益増進法人・認定NPO法人」を除くものは、全て一般の寄付金に当たるということです。
残念なことに、この一般の寄付金は、他2種類に比べて損金に算入できる金額が多くありません。
要は、損金算入限度額が高く設定されているということ。
国への貢献性が低いため、損金として扱える寄付金の額が少ないという訳です。
一般の寄付金に設定されている損金算入限度額は、以下の計算式を用いて求められます。

仮に、「資本金等の額 = 4,000万円」・「所得の金額 = 5,000万円」だったとします。
これらの値を上記の計算式に当てはめた結果は、以下の通りです。

計算結果の通り、資本金等の額や所得の金額は高いにも関わらず、特定公益増進法人などへの寄付金と比較すると、損金に算入できる金額は少ないです。
よって、法人が寄付を行うなら、国・地方公共団体・認定NPO法人などを支援先にしてみてはいかがでしょうか?