法人が用いる寄付金という勘定科目は、以下3つの種類に分けることができます。
- 国等に対する寄附金及び指定寄附金
- 特定公益増進法人に対する寄附金
- 一般の寄附金
国等に対する寄附金及び指定寄附金
国等に対する寄附金及び指定寄附金とは、名前の通り国や地方自治体を始め、財務大臣が指定した団体への寄付金のこと。
国への貢献度が特に高いことから、この種類の寄付金に関しては、その全額を損金として算入できます。
特定公益増進法人に対する寄附金
次に、特定公益増進法人に対する寄附金とは、教育や科学の振興、文化の向上に大きく貢献する団体への寄付金のことです。
例を挙げると、認定NPO法人や公益社団法人などが特定公益増進法人に該当します。
先ほどのとは違い、特定公益増進法人への寄付金には、損金算入限度額が設けられているため注意が必要。
特定公益増進法人に対して寄付を行った場合、損金算入限度額は以下の計算式で求められます。
- [資本金等の額 ×当期の月数/12×3.75/1,000+所得の金額×6.25/100] × 1/2 = 損金算入限度額
仮に、「資本金等の額 = 2,000万円」・「所得の金額 = 2,500万円」だったとします。
この場合、上記の計算式に当てはめると、結果は以下の通りです。
- [2,000万円 ×12/12×3.75/1,000+2,500万円×6.25/100] × 1/2 = 818,750円
資本金等の額と所得の金額さえ把握できていれば、損金算入限度額の計算方法は全く難しくありません。
一般の寄附金
最後に、一般の寄附金とは、上記2種類に該当しない全ての寄付金のことです。
わかりやすく言うと、「国・地方自治体・財務大臣が指定した団体・特定公益増進法人」以外への寄付金に関しては、一般の寄附金として扱うということです。
この一般の寄附金は、上記2種類と比較して、国への貢献性が高くありません。
そのため、損金として算入できる金額が最も少ないことは覚えておきましょう。
一般の寄附金を支出した場合は、以下の計算式を用いて損金算入限度額を算出することになります。
- [資本金等の額 ×当期の月数/12×2.5/1,000+所得の金額×2.5/100] × 1/4 = 損金算入限度額
例えば、町内会に寄付を行ったとします。
もし、「資本金等の額 = 3,000万円」・「所得の金額 = 3,500万円」だった場合、適用される損金算入限度額は以下の通りです。
- [3,000万円 ×12/12×2.5/1,000+3,500万円×2.5/100] × 1/4 = 237,500円
上記の通り、特定公益増進法人への寄付金と比較すると、損金として会計処理できる金額は非常に少ないです。
なので、法人が寄付を行う際は、国や地方自治体、もしくは認定NPO法人を支援先にしてみてはいかがでしょうか?
参考:寄附金を支出したとき | 国税庁